2006年07月22日
川俣晶の縁側過去形 本の虫感想編 total 2881 count

ぼくと未来屋の夏 2 武本糸会 はやみねかおる 講談社

Written By: 川俣 晶連絡先

 うーん、こういう作品をどう評価したら良いのだろう……。

 全般的に、何かがありそうな魅力で引っ張る力は強いものの、ラストシーンは明快ではありません。探偵が明快に説明を付けないからです。何が人魚の宝であるかも、良く分かりません。(一応、これだろう……という結論は読み取ったつもりですが)

 更に悩ましいのはこの終わり方の構成です。

 天外魔境風雲カブキ伝方式の拡大強化版というか、「ああ、本編が終わった」と見せかけて続きがあるという方式ですね。

 ええっっ。なにこれ、と思いながら二転三転と振り回されました。

 では、買って良かったと思うのか……ということなら答はYes!でしょう。いろいろな意味で先が読めない作品であり、良い刺激になったと感じます。